乳がんになってからの生活

乳がんになり、術前治療の抗がん剤が始まってから
母の生活は変わった。



仕事を辞めた


習い事の書道をやめた
正確的にはやめてはいないのだけど、行っていない。


抗がん剤を始めてから副作用の味覚傷害と体の変化から１日２，３杯飲んでいたコーヒーを飲みたくなくなったという。

１日中家の中での生活。

抗がん剤治療を始める前に先生が


縫い物が好きで２台のミシンを使いこなしていた母だけど
身体が疲れてしまうからか、副作用で手に違和感があるからか
気分が乗らないと今はミシンには布が被せてある。


朝風呂に入るようになった。
夜は疲れてしまって入る気にならないそうだ。


必ず昼寝をするようになった。


スーパーへの買い物も１週間分まとめて父と車で買いに行くようになった。

食料品の買い物と病院へ行く以外母は外出していない。
一人で買い物へも。
病院も買い物も父か弟が運転する車での外出。

外出時は帽子、マスク、メガネを掛けるようになった。
もともと近眼でメガネは持っていたけど普段は掛けていなかった。
抗がん剤を始めてから、近眼のせいで転んで怪我でもしたら大変だと、外出時はメガネを掛けるようになった。



術前の抗がん剤治療の最中にうつ病になってしまう人もいる。
この先に、手術、術後治療とまだ治療があるのかと思うとイヤになってしまうのだと話していた。

母の治療が始まる前に
「乳がんだからって好きなことまで諦める必要はないよ。
趣味の書道も書道仲間の友達も大事なストレス発散だよ。先生にも友達にも乳がん治療中だって話して髪の毛が抜けたって帽子なりカツラなり被って行けばいいじゃない。」
と母に趣味の書道だけは続けるように勧めていた。

母も「そうよね！やめる必要ないわよね～！」と
週１回の書道の習い事へは乳がん治療中も行く予定でいた。
治療が始まる前に先生にも書道友達にも乳がんであることを告げ
今後も宜しくと挨拶もしてきていた。

でも、抗がん剤投与２週間目あたりから始まった脱毛。
ハラハラの抜け落ちる髪の毛。
家中に落ちている抜け毛の処理、頭皮の痛み、痒み、長い時間タオル帽さえも被ってられない状態。

落ち着いて書道ができる状態でも気分でもなかっただろう。

最近は脱毛も落ち着いたけど
手の違和感は消えないらしく、書道へは行っていない。
筆を長時間握る事が苦痛なんだと思う。


毎年年末には友達と温泉旅行に出かけていたけど今年は無理だね。


乳がんになって諦めたこと沢山あるね。
でも私は母と話す時間も、母を思う時間も、家族と話す時間も増えたよ。
悲しいけれど母が乳がんにならなければ、得られなかった時間なのかもしれない。